ビーチクリーン駅伝は神奈川の自然海岸150kmを11のパートに分け、1日に1パートずつ、延べ11日間かけてビーチクリーンして周る日本一長い環境保全活動です。実施するエリアは三浦半島の東京湾側の一部と相模湾全域に跨り、13市町、100以上の海岸におよびます。この活動は広域な沿岸を一括的に清掃し、状況調査することを目的とするとともに、各海岸の利用者やローカルセクターと繋がり、コミュニケーションを図っていくことで地域全体をワンボイス化することを目指しています。
■2021年活動概要
▪️実施期間:
2021年10月2日(土) – 11月13日(日)
※期間中の11日間
▪️実施エリア:
神奈川県の自然海岸150km
▪️参加者:延べ161人
▪️ごみ回収量:
591袋(可燃469袋/不燃122袋(30L換算)
ペットボトル3586本、レジ袋415枚
▪️支援:
エフピコ環境基金
▪️後援:
公益財団法人かながわ海岸美化財団
神奈川県オリンピック・パラリンピック課
▪️公認:
東京オリンピック・パラリンピック組織委員会
■エリア地図
活動エリアは横須賀市の走水海岸から湯河原町の千歳川まで神奈川の自然海岸全域に渡ります。
■ごみ回収量と参加者の推移
2021年のごみ回収量は2020年に比べると3割強増えていますが、参加者も4割強増えていますので海岸の状況にはあまり変わりがなかったのではないかと推察されます。それ以前の2018年と2019年は参加者が少なかったにも関わらずごみの回収量が多く、海岸のごみ量が非常に多かったことが推察されます。
■パート別のごみ回収量の推移
これまでの活動でのごみ回収量は2019年のパート5を除けば、序盤と終盤にごみが多く、中盤は少ない傾向を示しております。特に中盤のパート6は毎年少ないのですが、このパートは来浜者がもっとも多い鎌倉~藤沢エリアです。ごみの量は地勢的な要素に加え来浜客や沿岸部の人口に関係があるように思われます。
■2021年のパート別のごみ回収量
2021年のパート別の活動結果詳細です。パート2の一人当たりのごみ回収量が11.7袋に対してパート6は0.3袋でした。ごみは「ある所にはあるが、ない所にはない」状態だと言えます。
■海岸別のごみ回収量(30Lごみ袋数)
ごみの多い場所と少ない場所は極端で、ワースト1だった金田海岸は8人の参加者のおよそ2時間の活動で91袋分のごみを回収しているのに対して、パート5の湘南エリアは一日ごみを拾っても一人あたり0.3袋分の回収量でした。また、8割近いごみが可燃ごみ(プラスチック、衣類、紙)でした。
■海岸別のペットボトルとレジ袋の回収量/回収量の推移
ペットボトルごみの回収傾向とごみ全体の回収傾向はほぼ同じ傾向を示しています。(上記グラフ参照) 一方、レジ袋には際立った傾向はなく経年変化にも大きな変化は見られませんでした。
■ごみ回収量ワースト5の回収割合
活動エリアの7%にあたるワースト6ポイントで回収したごみの合算量は回収量全体の40%近くにのぼりました。ペットボトルに至っては50%以上の割合です。
■活動の様子
パート1.
・海岸/走水海岸-観音崎-多々良浜-燈明堂-長瀬-久里浜
・日時/10/2(土) 7:30京急馬堀海岸駅集合-17:20京急久里浜駅解散 ・参加者/16人
パート2.
・海岸:金田-菊名-三浦海岸-津久井-長沢-津久井海岸-野比
・日時:10/3(日) 7:20京急三浦海岸駅集合-17:00京急YRP野比駅解散 ・参加者/10人
パート3.
・海岸:雨崎-松輪-劒崎-毘沙門-宮川-通矢-城ヶ島
・日時:10/9(土) 9:15京急三崎口駅-17:45京急三崎口駅解散 ・参加者/11人
パート4.
・海岸:諸磯-油壷-三戸浜-和田長浜-荒崎-長井-冨浦
・日時:10/10(日) 9:15京急三崎口駅-16:40京急三崎口駅解散 ・参加者/8人
パート5.
・海岸:佐島-芦名海岸-秋谷海岸-久留和海岸-長者ヶ崎・大浜-一色海岸-森戸海岸-鐙摺-逗子海岸
・日時:10/23(土) 7:15JR逗子駅岸集合-17:15JR逗子駅解散 ・参加者/21人
パート6.
・海岸:材木座-由比ガ浜-稲村ケ崎-七里ガ浜-腰越-片瀬東浜-江ノ島-片瀬西浜-引地川河口-辻堂海岸
・日時:10/24(日) 7:30JR鎌倉駅集合-16:40JR辻堂駅解散 ・参加者/23人
パート7.
・海岸:辻堂海岸-汐見台-中海岸-サザンビーチ-南湖-相模川河口左岸-相模川右岸-袖ヶ浜
・日時:10/30(土) 7:30JR辻堂駅-16:45JR平塚駅解散 ・参加者/21人
パート8.
・海岸:虹ケ浜-金目川河口左岸-金目川河口右岸-唐ケ原-北浜-照ヶ浜-西小磯-袖ヶ浦
・日時:10/31(日) 7:30JR平塚駅-16:50JR二宮駅解散 ・参加者/13人
パート9.
・海岸:袖ヶ浦-梅沢-越地-茶屋-押切-前川-国府津-小八幡-酒匂川河口左岸
・日時11/6(土) 7:30JR二宮駅集合-17:00JR国府津駅解散 ・参加者/14人
パート10.
・海岸:山王-万年-御幸の浜-荒久-石橋-米神-根府川-江之浦
・日時:11/7(日) 7:15JR国府津駅集合-16:45JR根府川駅解散 ・参加者/14人
パート11.
・海岸:岩海岸-大ヶ窪・白磯-琴ヶ浜-三石-番場浦-高浦-尻掛-福浦-船付-吉浜-千歳川河口左岸
・日時:11/13(土) 9:50JR真鶴駅集合-16:30JR真鶴駅解散 ・参加者/10人
おまけ(お昼ご飯&打ち上げ)
■活動支援:エフピコ環境基金、日本プラスチック工業連盟
■活動後援:公益財団法人かながわ海岸美化財団
■活動公認:東京2020オリンピック・パラリンピック組織委員会、神奈川県スポーツ局オリンピック・パラリンピック課
※敬称略
■総評
この活動も今年で5回目となりました。ここまで継続してこれたのは公益財団法人かながわ海岸美化財団さまのごみ回収支援のプラットホームがあってこそです。また前回に引き続きエフピコ環境基金さまから活動資金のご支援を頂き、スタッフの交通費や日当をはじめ活動資材を賄うことができました。両者のご支援に改めて感謝申し上げます。
海岸の状況は前回同様に全体的にはごみが少なく綺麗な状態の海岸が多かったです。しかし、局所的にはごみが多かった海岸もあり、「ごみは無いところにはないが、有るところにはある状態」でその差が極端でした。ごみが多かった場所は相対的にあまり人が訪れないような場所、潮の満ち引きなどの影響を受けづらくごみが移動しにくい場所(テトラポットなどの人工物がある場所等)、それと河川の河口付近などです。今後、この活動で得た知見を効率なごみ回収活動に活かしていく所存です。
参加者に関しては今回は前年の約50%UPととても多くの方にご参加頂きました。初参加の方も多かったのですが、なかには何度もご参加頂いた方も大勢おられます。昨年と比べスタッフの人数を減らしましたがトラブルなく、厳しい工程を完遂出来たのはスタッフの皆さんのスキルUPと一般参加者の皆さまのご協力によるものだと考えます。この活動は多くの方のご支援があっての活動です。引き続きご支援のほど宜しくお願いいたします。 NPO法人湘南クリーンエイドフォーラム 事務局